介護フランチャイズが儲からない理由、知りたいですよね。「高齢化社会で需要は右肩上がり」「安定したビジネスモデル」——そんな言葉に引っ張られて加盟を検討している方、ちょっと待ってほしいんです。私自身、整体FCやピラティスFCなど5ブランドに加盟してきた経験の中で、「需要があること」と「儲かること」は全然別の話だと骨身にしみています。借金3,000万円以上を抱えて撤退した経験があるからこそ、この記事では甘い話は一切しません。介護FCの構造的な問題を正直に整理しましたので、加盟前の判断材料にしてください。
介護フランチャイズが儲からない理由①:ロイヤリティと経費の二重圧迫

ロイヤリティの重さ、見落としていませんか?
介護FCに加盟するとき、多くの人が見落とすのがロイヤリティ(本部に毎月払うお金のことです)の重さです。
介護系FCのロイヤリティは、売上の5〜15%と幅があります。一見「5%なら安い」と思いますよね。だけど、介護サービスは報酬が介護保険で決まっているので、売上をグイッと伸ばしにくい構造になっています。飲食や小売のように「値上げで売上アップ」という手が使えない。これ、めちゃくちゃ大事なポイントです。
介護報酬(介護サービスの対価として国から支払われる報酬)は国が単価を決めています。どれだけ頑張って優良なサービスを提供しても、1回のサービスで稼げる金額に上限がある。その中からロイヤリティを払い、スタッフの人件費を払い、車両費・事務所家賃・消耗品費を払っていくと、残る利益がほぼゼロになるケースも珍しくないんですよ。
私が経験した整体FCでも、ロイヤリティが10%と15%のブランドを比較したことがあります。売上300万円だったとして、ロイヤリティ10%なら30万円、15%なら45万円。この差額15万円が毎月消えていくのは、経営に地味に効いてきます。年間で180万円の差。介護FCでは、その売上自体が保険制度に縛られているわけですから、ロイヤリティの重さはさらに致命的です。
もうひとつ、見落としがちな費用が広告費と本部分担金(本部が行う広告・システム運営の費用を加盟店で分担するお金)です。「集客は本部がやってくれるでしょ」と期待して入ったら、「エリア集客は加盟店の責任」と契約書に書いてあった——介護系に限らずFCあるあるです。加盟前に必ず確認してほしい箇所です。
手元にある収支シミュレーション、ロイヤリティと広告費を正直に引いた後の数字になっていますか?
介護フランチャイズが儲からない理由②:人材確保と定着の壁が異常に高い

採れない、定着しない。
ぶっちゃけ、ここが介護FCの最大のハードルだと私は考えています。介護ビジネスで最も頭が痛いのが、人材の問題です。
介護職員は慢性的に不足しています。有効求人倍率(求人数÷求職者数)が3倍を超えることもザラで、「人を採るだけで広告費がかかる」「採れても3ヶ月で辞める」というのが介護業界の現実です。人材採用コストが月に数十万かかることも珍しくなく、採用してもすぐ離職するとその費用がまるまる消えます。
しかも介護は資格が必要な職種が多い。ヘルパー(訪問介護員)や介護福祉士の有資格者を集めないとサービスが回らないのに、その有資格者の争奪戦が業界全体で起きています。
私の経験を少し話すと、整体FCで多店舗展開したとき、2店舗目以降でスタッフ退職が相次いだのが直接の死因でした。売上が安定しているうちはいい。1人退職するだけで売上が一気に落ちるのがサービス業の怖いところで、採用活動中も固定費(家賃・ロイヤリティ)は止まらない。介護FCはそのリスクが業態的にさらに高いと思っています。
本部がどこまで採用支援してくれるか、SVサポート(スーパーバイザーが現場を巡回して経営をサポートする仕組み)の充実度が、加盟後の生存率を分けるカギになります。「本部任せにできる」と思って入ったのに、採用も育成も全部自分でやることになっていた——これは本当に多い失敗パターンです。
本部のサポート内容、説明会だけで判断していませんか?
介護フランチャイズが儲からない理由③:制度改定リスクと加盟金回収の遅さ

国が単価を決める。ここがミソで、介護FCに固有のリスクとして絶対に話しておかないといけないのが、介護報酬の制度改定リスクです。
介護報酬は原則3年ごとに国が改定します。2021年や2024年の改定では一部単価が引き上げられた部分もありましたが、歴史的には「引き下げ」もたびたびあった。国の政策ひとつで、あなたの事業の売上が5〜10%下がる可能性がある——他の業種ではなかなか起きないリスクですよね。飲食店のメニュー価格は自分で決められますが、介護サービスの単価は自分では決められない。
で、もうひとつ見てほしいのが加盟金の回収期間です。
介護FCの加盟金は数百万〜1,000万円程度が相場です。これを何年で回収できるかは、FCの収益モデルによって全然違います。私が失敗した整体FCでは初期費用が約1,000万円かかりましたが、利益で回収する前に撤退することになってしまいました。介護FCでも同様に、加盟金が回収できないまま撤退するケースは珍しくないのが現実です。
余談ですが、FC加盟を検討しているときって、本部の説明会で出てくる「モデル収支」がかなり楽観的なことが多い。私も最初はその数字を信じて突っ込んだ側の人間です。要は「本部が示す収支計画」と「現実の収支」は乖離することが多いということ。加盟前に既存加盟店オーナーへ直接話を聞きに行くのが、最も確実な実態把握の方法です。
介護保険制度の仕組みや改定履歴についての事前リサーチは、介護FCを検討する前に読む基礎知識も合わせて参考にしてみてください。
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介護フランチャイズが儲からない理由④:契約書に隠れた撤退コストの怖さ

辞めるのにお金がかかる。
「うまくいかなかったら辞めればいい」——そう思っている方、契約書をもう一度読んでほしいんです。
FC契約書には、撤退(中途解約)に関する条項が必ず入っています。違約金として残存契約期間分のロイヤリティを請求されるケースもあり、撤退したはずなのに支払いが続くという事態が起きます。介護FCでは契約期間が5年・10年と長いものもあり、3年目で撤退を決断しても残り数年分の費用を求められることがあります。
私自身、FC撤退時に契約書の細かいところに気づいていなくて、余計なコストがかかった経験があります。加盟前ではなく撤退後に契約書を読んでいる自分——想像したくないですよね。ほんとに。
あともうひとつ、撤退時に問題になるのがスタッフの処遇です。介護サービスは利用者さんとの継続的な関係が前提なので、「急に撤退します」ができない。引き継ぎコストや最終月の人件費が重くのしかかります。
契約書のチェックは、FC契約に詳しい弁護士や中小企業診断士に依頼するのが確実です。数万円の費用をケチって数百万円の損をするのは、割に合わない。
また、借入で加盟する場合は経営者保証ガイドライン(経営者個人の連帯保証を外すためのルールのことです)を活用できる可能性があります。事業がうまくいかなかったときの個人へのダメージを最小化する手段として、金融機関に相談してみる価値があります。FC契約リスクの詳細についてはFC契約書で絶対確認すべき10項目も参考にしてみてください。
あなたは契約書の撤退条項、きちんと確認できていますか?
介護フランチャイズで「儲かる人」と「儲からない人」の分かれ目

本部選びと資金計画。これだけで全然変わります。
ここまで厳しい話をしてきましたが、介護FCで安定して利益を出しているオーナーが存在するのも事実です。何が違うのか。
答えはシンプルです。儲かっているオーナーに共通しているのは、まず本部のサポート品質をちゃんと見極めていること。集客支援・採用支援・SV(スーパーバイザー)の訪問頻度・ITシステムの充実度——これらは本部によって天と地ほど違います。「FCだから本部が全部やってくれる」と思って入ると痛い目を見ます。
開業前に複数の加盟店オーナーに会いに行き、「サポートは実際どうですか?」と直接聞いている人は、加盟後のギャップが小さい傾向があります。本部が紹介する「成功事例オーナー」じゃなく、自力で既存加盟店を探して話を聞くのがポイントです。
資金計画の話でいうと、私が多店舗展開で失敗した原因は明確で、運転資金(事業を回すための手元資金)をほぼ用意せずに出店し続けたことです。1店舗目がスタッフ2人で月商300万円と好調だったので、そのパターンが続くと思い込んでいた。だけど現実は甘くなかった。2店舗目以降は社員退職が続き、売上不振の店舗が出て、最終的に4店舗目で撤退を決断。借金は3,000万円以上になりました。
初期費用だけ計算して「これなら出せる」と思うのは危険です。最低でも6ヶ月分の運転資金(家賃・人件費・ロイヤリティ)を手元に残した状態で加盟するくらいのバッファが必要です。
補助金の活用も忘れないでほしい。介護・福祉系のFC開業には、地域によっては創業補助金や小規模事業者持続化補助金が使えるケースがあります。FC開業時に使える補助金まとめも一度チェックしてみてください。
資金計画、6ヶ月分の運転資金まで含めて試算できていますか?
まとめ:介護フランチャイズの「需要がある」は「儲かる」ではない
介護FCが儲からない理由を整理すると、①ロイヤリティと経費の二重圧迫、②人材確保・定着の難しさ、③制度改定リスクと加盟金回収の遅さ、④撤退時の隠れコスト、⑤本部サポートの品質格差——この5つが絡み合っています。
「高齢化社会で需要が増える」は本当のことです。だけど、需要があることと利益が出ることはイコールじゃない。私はこれを自分のお金と時間を使って学びました。
FC加盟は、正しい情報と正直な数字をもとに判断すれば、リスクをかなり下げられます。甘い説明会トークに乗せられる前に、この記事で書いたポイントをひとつひとつ確認してみてほしいんです。あなたの大切なお金と時間を守るために。
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よくある質問
Q. 介護フランチャイズのロイヤリティ相場はどのくらいですか?
A. 売上の5〜15%が一般的な相場です。ただ介護サービスは介護保険で報酬単価が決まっているため、売上を自由に上げられません。ロイヤリティが10%でも15%でも、その差額は毎月確実に消えていきます。加盟前に必ず実額で計算してみてください。
Q. 介護FCの加盟金はいつ回収できますか?
A. 本部の収支シミュレーション通りにいけば数年で回収できるケースもありますが、現実には回収前に撤退するオーナーも少なくありません。私の整体FC経験でも、初期費用約1,000万円を回収しきれずに撤退しました。楽観的な試算を鵜呑みにせず、既存加盟店オーナーへ実態を確認するのが最善です。
Q. 介護フランチャイズで失敗しないために一番大事なことは何ですか?
A. 運転資金の確保と本部サポートの実態確認が、失敗を防ぐカギになります。私が多店舗展開で失敗した根本原因は、1店舗目の成功に慢心して運転資金をほぼ用意しないまま出店したことでした。最低6ヶ月分の運転資金を手元に残した状態で加盟すること、そして本部が紹介する成功オーナーだけでなく自力で既存加盟店を探して話を聞くことをすすめます。
Q. 介護フランチャイズを途中で辞めたい場合、違約金はかかりますか?
A. FC契約書の内容次第です。残存契約期間分のロイヤリティを違約金として請求するケースもあります。撤退を考えてから契約書を読むのでは遅い。加盟前にFC契約書の中途解約条項を必ず確認し、不安な点はFC契約に詳しい弁護士に相談することを強くすすめます。
Q. 介護フランチャイズに使える補助金はありますか?
A. 創業補助金・小規模事業者持続化補助金などが活用できる可能性があります。ただし、補助金は公募期間や条件が変わるので、加盟を検討している自治体の窓口や商工会議所に最新情報を確認しに行くのが確実です。補助金をうまく使えれば初期費用の負担を下げられますが、補助金頼みのFC計画は危険なので、あくまで上乗せとして考えてください。

