フランチャイズ本部の説明会で見極め方がわからず、不安を感じていませんか?「話がうますぎる気がする」「どこを信用していいかわからない」という声、ほんとによく聞きます。
私自身、整体FC・ピラティスFC・小顔整体FCなど5ブランドに加盟してきた経験があります。最初の1店舗はスタッフ2人で月商300万円と好調でしたが、その後の多店舗展開で失敗し、最終的に3,000万円以上の借金を抱えて撤退しました。あのとき、説明会でもっとちゃんと見極められていたら——そう思うことが今でもあります。
この記事では、私が実際に複数の本部の説明会に足を運んで感じた「本部の見極め方」を、具体的なチェックポイントとともにお伝えします。加盟前に読んでおくだけで、判断の精度がぜんぜん変わってきます。
説明会でまず確認すべき「本部の収益構造」

説明会に行くと、だいたい最初にキレイなスライドで「市場規模」とか「加盟店の成功事例」を見せてもらえます。でも、そこに時間を使いすぎないでほしいんです。
そもそも聞きたいんですが——あなたは「本部がどうやって儲かっているか」を説明会前に考えたことありますか?
本当に確認してほしいのは、本部がどうやって儲かっているかという構造のほう。これがカギになります。
フランチャイズ本部の収益は大きく3つ。加盟金(最初に払う一時費用)、ロイヤリティ(本部に毎月払うお金)、そして物品販売やシステム利用料などの附帯収益。この3つのバランスで、本部の「本気度」がかなり見えてくるんです。
たとえば、ロイヤリティが売上の15%を超えてくると、正直かなりキツい。売上300万円で45万円が毎月出ていくわけです。人件費・家賃・仕入れを引いたあとに45万円はぶっちゃけ重すぎる。私が加盟したブランドの中でも、ロイヤリティの差が経営の苦しさに直結していました。10%と15%では5%の差ですが、月商300万円なら年間180万円の差。笑えない数字です。
あともうひとつ確認してほしいのが、加盟金の回収期間の根拠となる数字。説明会では「回収は〇ヶ月でできます」と言われることが多いですが、その数字の出どころを必ず聞いてください。
「加盟店の平均月商はいくらですか?」
「その数字の母数は全店ですか?黒字店舗だけですか?」
この2つを聞くだけで、本部の誠実さがかなり浮き彫りになります。答えをはぐらかしたり、「ケースバイケースです」で終わらせる本部は要注意。ちゃんとデータを持っている本部は、多少不利な数字でも開示してくれます。それができる本部のほうが、長い付き合いで信頼できると私は考えています。データを出せる本部か。ここだけで全然変わります。
「成功事例」の話しか出てこない本部は危険

説明会あるあるなんですが、事例の話になると急に熱量が上がる担当者っていませんか?あれ、けっこうシグナルとして使えます。
ちょっと考えてみてほしいんですが——その本部、閉店した加盟店の話を自分から出してきましたか?
成功事例しか出てこない本部は疑ってかかってください。ほんとに大事なポイントです。
なぜかというと、フランチャイズには「情報提供義務」というものがあって、加盟前に本部は一定の情報を開示しなければなりません(法定開示書面といいます)。この書類の中には、既存加盟店の閉店数や退店数も含まれています。
説明会でこちらから「閉店した店舗は何店ありますか?」と聞いてみてください。躊躇する気持ち、わかります。私も最初はありました。でも遠慮している場合じゃないんです。
退店数が多い本部は、構造的な問題を抱えているサインである可能性が高い。うまくいっているなら辞める人は少ないはず。単純な話です。
また、実際に加盟しているオーナーと話をさせてもらえるかどうかも、大きな判断材料になります。本部が用意した「代表的な成功オーナー」だけでなく、「近くの既存加盟店に直接話を聞きに行っていいですか?」と聞いてみてほしいんです。OKを出す本部は、それだけ自信がある証拠。断られたり渋られたりする場合は——正直、かなり警戒したほうがいいです。
オーナーに直接会わせてもらえるか。これも見極めのカギになります。
余談ですが、私が多店舗展開で失敗したとき、まさに「1店舗目の成功事例」が自分自身の判断を狂わせました。成功体験は、ときに一番危険な情報になる。自分の成功事例だけを信じて動いた結果が、3,000万円超の借金です。他人ごとじゃなく、自分ごととして聞いてほしいなと思います。
ロイヤリティの仕組みについてはこちらの記事で詳しく解説していますので、あわせて読んでみてください。
SVサポートと集客支援の「中身」を必ず聞く

「本部がしっかりサポートします」というフレーズ、説明会で聞かない日はないくらいよく出てきます。ただ、このサポートという言葉が一番あいまいで、一番騙されやすい部分でもあります。
サポートって具体的に何をしてくれるのか、聞いたことありますか?
サポートの「中身」と「頻度」と「担当者の数」を必ず確認してください。
SVというのはスーパーバイザーのことで、加盟店を巡回して経営指導をしてくれる本部の担当者です。1人のSVが何店舗を担当しているかを聞いてみてください。1人のSVが50店舗以上を担当しているような本部では、まともなサポートは物理的に不可能です。月に1回来てくれるかどうかも怪しい。
集客支援についても同様です。「本部が広告を打ちます」という説明をよく聞きますが、ここがミソで——その広告費は誰が負担するのかをちゃんと確認する必要があります。
「広告分担金」として毎月数万円が徴収される仕組みになっていることは多い。ロイヤリティとは別に、です。月商300万円でロイヤリティ10%なら30万円。そこに広告分担金3〜5万円が乗ってくると、毎月33〜35万円が本部に出ていく計算になります。
毎月の支払い総額を出してもらう。これをやるだけで話の解像度がまったく変わります。
FC加盟の初期費用や月々のコスト構造についてはこちらの記事もあわせて確認してみてください。
私が失敗したときも、初期費用として約1,000万円を投じた店舗でしたが、毎月の固定費が思ったより重く、売上不振が続いた段階でキャッシュアウトしてしまいました。開業前に「月々いくら本部に払うのか」の総額を出せていたら、あの判断は変わっていたと思います。
説明会の段階で、月々の支払い総額(ロイヤリティ+広告分担金+システム料など)を全部足した数字を担当者に出してもらう。これがめちゃくちゃ大事です。
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契約書の「撤退条件」を説明会で確認する

加盟を決める前に、絶対に確認してほしいことがあります。撤退するときにどうなるか、です。
「辞めるときのこと」を加盟前に聞くのって、なんとなく縁起が悪い気がしますか?でも、これを聞かないまま契約するのはリスクが大きすぎます。
ここ、説明会では積極的に話してくれません。だからこそ、こちらから聞く必要があります。
確認すべき項目は主に3つ。
まずやってほしいのは「中途解約した場合の違約金」の確認。残存契約期間×月額ロイヤリティで計算されるケースが多く、5年契約の2年目で解約すると、3年分の違約金が発生することもあります。これは撤退を考えたとき、首を絞める条件になりかねない。
次に確認してほしいのが「競業避止義務」。契約終了後、一定期間・一定エリアで同業の事業を行ってはいけないという条項です。退店後も縛られる可能性があるので、どんな範囲で・何年間の制限があるかを必ず確認してください。
あともうひとつ。「居抜き退店ができるかどうか」も重要です。物件を改装して出店した場合、退店時に原状回復義務が発生することが多い。これが数百万円になるケースもあります。
契約書のリーガルチェックは、加盟前に専門家(弁護士か中小企業診断士)に依頼することを強くおすすめしています。費用は数万円ですが、撤退時のリスクを考えたら安すぎるくらいです。数万円で数百万円を守れる。これがカギになります。
私が3,000万円超の借金を抱えた原因のひとつに、撤退コストの読み違いがあります。「辞めるときにどうなるか」を加盟前にちゃんと計算していれば、もっと早く損切りができていたかもしれない。後悔してから言っても遅いですが、だからこそ伝えたい。
FC加盟の契約書チェックで見るべきポイントはこちらの記事で詳しく解説しています。
本部の「財務状況」と「設立年数」を調べる方法

説明会の場では当然、本部は自社の良い面しか見せません。だから、説明会の外で自分で調べる必要があります。
本部の財務情報、自分で調べたことありますか?実は調べ方を知っていると、見える景色がまったく変わります。
本部の財務情報は、法人登記や信用調査データである程度確認できます。
まず、国税庁の法人番号検索で会社の存在確認と設立年月日は無料で調べられます。設立から3年未満の本部は、ぶっちゃけリスクが高い。どんなに熱心な説明でも、そのビジネスモデルが「本当に長期間うまくいくのか」の実績が乏しいからです。
設立5年以上、加盟店舗数が20店舗以上を一つの目安にすると安心です。もちろんこれだけで判断するわけじゃないですが、最低ラインとして見てほしい数字です。
あともうひとつ。帝国データバンクや東京商工リサーチなどの信用調査機関では、有料ですが財務情報のレポートを取れます。数千円で買える情報なので、加盟金が数百万円になる決断の前に調べない理由がないです。
本部が債務超過に近い状態だったり、売上が右肩下がりだったりした場合、サポートどころか本部自体が消えるリスクがあります。本部が倒産したあとに加盟店がどうなるか——これはかなりグレーゾーンで、加盟金が戻ってくる保証もほぼありません。本部が生き残っているかどうか。加盟前の確認が全然違う結果を生みます。
最後にひとつ。補助金の活用も説明会で聞いておく価値があります。FC加盟時には「小規模事業者持続化補助金」や「事業再構築補助金」が使えるケースがあります。本部が補助金の活用実績があるかどうかも聞いてみてください。知識のある本部ほど、こういうところにも詳しいです。
FC加盟で使える補助金についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。
フランチャイズ本部の説明会で見極めるべきポイントを5つお伝えしました。
本部の収益構造とロイヤリティの重さを確認すること。成功事例だけでなく閉店数や退店数を聞くこと。SVサポートと集客支援の中身・費用を総額で出してもらうこと。撤退時の違約金・競業避止義務・原状回復コストを把握すること。そして本部の財務状況と設立年数を自分で調べること。
答えはシンプルです。説明会は「本部があなたを選ぶ場」ではなく、「あなたが本部を面接する場」です。
私自身、1店舗目の成功体験に油断して、本部選びの精度を怠ったまま多店舗展開に突き進んだ結果が3,000万円超の借金でした。この記事を読んでいるあなたには、同じ思いをしてほしくない。慎重すぎるくらいでちょうどいい。加盟してから後悔するより、迷っているうちに徹底的に調べる時間のほうが絶対に価値があります。
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よくある質問
Q. フランチャイズ本部の説明会は何回参加すべきですか?
A. 最低でも2回は参加することをおすすめしています。1回目は全体の雰囲気をつかむため、2回目はこちらが用意した質問リストをもとに深掘りするためです。私が失敗したブランドのいくつかは、1回の説明会で勢いで進めてしまいました。回数を重ねると担当者の対応の一貫性も見えてきます。
Q. 説明会で「今だけ加盟金が割引」と言われたら信用していいですか?
A. 正直、かなり疑ったほうがいいです。期間限定の割引は「今決めてほしい」という本部側の都合であることが多く、冷静な判断を妨げる営業手法のひとつです。本当に良いフランチャイズなら、割引がなくても判断できる材料が揃っているはずです。焦って決めたFC加盟で後悔した経験が私にもあります。
Q. 説明会で必ず聞くべき質問を教えてください。
A. 最低限これだけは聞いてほしいという質問が5つあります。①既存加盟店の平均月商と閉店数、②ロイヤリティ以外に毎月かかる費用の総額、③SVは何店舗を担当しているか、④中途解約した場合の違約金の計算式、⑤実際の加盟オーナーに話を聞けるかどうか。この5つへの答え方を見るだけで、本部の誠実さがかなり見えてきます。
Q. 説明会と契約の間にどれくらい時間をかけるべきですか?
A. 少なくとも1〜2ヶ月は検討期間を設けるべきだと私は考えています。その間に既存加盟店への訪問・契約書の法的チェック・資金計画の見直しを行ってください。私が3,000万円超の借金を抱えた要因のひとつは、資金計画が甘いまま出店を急いだことです。時間をかけることを「決断が遅い」と思う必要はまったくありません。
Q. 説明会の資料だけで判断しても大丈夫ですか?
A. 大丈夫ではないです。説明会資料は本部が最も良く見せるために作ったものです。法定開示書面(フランチャイズ契約の締結前に本部が渡す義務のある書類)を必ず受け取り、記載された閉店数・財務情報・ロイヤリティ条件を自分で読み込んでください。わからない部分は中小企業診断士や弁護士に相談するのが確実です。

