フランチャイズ加盟を決めたとき、多くの人が最初につまずくのが事業計画書の書き方です。「何を書けばいいの?」「銀行に出す書類って本部がくれるの?」って、不安になりますよね。わかります。私自身、整体FCに加盟するとき、事業計画書の意味をちゃんと理解しないまま書いて、あとで痛い目を見た経験があります。
この記事では、FC加盟時の事業計画書をどう書くか、何を盛り込むべきか、そして「これを書いておかなかったがために失敗した」という実体験もふまえながら、具体的に解説していきます。FC加盟で後悔しないために、ぜひ最後まで読んでみてください。
フランチャイズ事業計画書とは?なぜ必要なのかを理解する
事業計画書、という言葉だけ聞くと「なんか難しそう」って思う人、多いんじゃないでしょうか。あなたはどうですか?
シンプルに言うと、事業計画書とは「これからやる事業のシナリオを文書にしたもの」です。銀行や日本政策金融公庫(融資を行う公的な機関のことです)に融資を申し込むときに必要になることがほとんど。あと、本部に提出を求められるケースもあります。
ただ、ひとつ聞かせてください。
あなたは事業計画書を「融資を通すための書類」だと思っていませんか?
もちろんそれも間違いじゃない。だけど、それだけじゃもったいない。事業計画書を真剣に書く過程で、「このFCって本当に自分に合ってるのか」「収支が本当に成り立つのか」を自分でちゃんと検証できるんです。ほんとに外せないプロセスなんですよ。
私が5ブランド加盟してきた経験から言うと、事業計画書をちゃんと作っているオーナーと、本部から渡されたひな型をそのまま出しているオーナーでは、開業後の経営判断のスピードと精度が全然違います。
なぜか。計画を自分で作った人は「どこが予定とズレているか」がすぐわかるから。だけど、借り物の計画書で開業した人は、そもそも数字の根拠を理解していないので、売上が落ちても何が原因かピンとこない。対処が遅れる。これ、めちゃくちゃ多いパターンです。
FC加盟時の事業計画書には、大きく2種類あります。
ひとつは金融機関向けの融資申請書類。もうひとつは本部に提出する開業前の経営計画書。目的が違うので、書き方も少し変わってきます。この記事では主に融資申請で使う事業計画書の書き方をメインに解説しますが、本部提出版についても後半で触れていきますね。
注意してほしいのは、本部が「雛型を用意してあります」と言っても、そのまま出さないこと。その数字が本当に「あなたのエリア・あなたのスキル・あなたの状況」に合っているか、必ず自分でチェックしてください。
事業計画書に必ず入れる7つの項目と書き方のコツ
具体的に、何を書けばいいのか。ここ、意外と誰も教えてくれないんですよね。
基本的な構成はこれです。
まずやってほしいのは「事業概要」を一言で書くこと
どんなビジネスをするか、一言で説明する部分。「〇〇フランチャイズに加盟して、△△市で整体院を開業する」くらいシンプルでOKです。ただ、フランチャイズ加盟である旨を明記すること。本部のブランド力を「資産」として見てもらえます。
次に「開業の動機・背景」で自分の強みを見せる
「なぜFC加盟で独立するのか」を書く部分。ここで大事なのは、自分の実務経験や強みを絡めること。「前職で〇〇の経験があり、サービス業の接客に自信がある」など、融資担当者が「この人なら返せそう」と思える情報を入れる。
あともうひとつ、「市場分析」でエリアの裏付けをする
出店するエリアの人口・競合状況・ターゲット顧客を書きます。本部からエリアデータをもらえることも多いですが、自分でも商圏調査(Googleマップや市の統計データが使えます)をやっておくと信頼性が上がります。
「収支計画(売上・費用・利益)」がこの書類のキモ
ここが一番の勝負どころ。後でくわしく解説しますが、本部が提示する「モデル収支」をそのまま書くのは危険です。最良・標準・最悪の3パターンを用意するのが鉄則。
「資金計画(初期費用・調達方法)」で数字の根拠を示す
いくら必要で、どこから調達するか。自己資金・融資・補助金の内訳を明確に。
「返済計画」は余裕を持って設定する
融資を受ける場合、いつ・いくら返すかのスケジュール。無理な返済額を書くと後でしんどくなる。ここは絶対に余裕を持った設定にしてください。
「開業スケジュール」で具体性を出す
物件契約から開業までの流れ。FCの場合、本部の研修期間も含めて書くと具体的に見えます。
書くときのコツを一つ挙げるとすれば、「読んだ人が頭の中で映像を描けるか」を意識することです。数字を羅列するだけじゃ伝わらない。「このエリアで、このターゲットに、このやり方でやって、このくらいの売上になる」という流れが見えると、融資担当者の納得感がぐっと上がります。
ロイヤリティの仕組みや費用の計算方法についてはこちらの記事で詳しく解説しているので、合わせて読んでみてください。
収支計画の作り方|私が失敗した「甘い数字」の落とし穴
ここが、私が一番強調したい部分です。あなたの収支計画、本部の数字をそのままコピペしていませんか?
私自身、整体FCに加盟して1店舗目はスタッフ2人で月商300万円。整体業界で1人あたり月商90〜110万が安定ラインと言われているので、これはかなり好調でした。1年で利益は約1,000万円。「FCってすごい、もっと出せる」って本気で思った。
で、調子に乗って多店舗展開に走りました。そのとき私がやった一番の失敗が、1店舗目の成功パターンをそのまま他の店にも当てはめた収支計画を作ったこと。
運転資金(お店を維持するための生活費みたいなお金のことです)をほとんど用意しないまま出店した。「どうせ早期黒字になるから大丈夫」って。
甘かった。本当に甘かった。
2店舗目以降は社員が次々と退職。売上が立ち上がらない店舗が出てきて、4店舗目の撤退を決断した時点では借金が3,000万円を超えていました。整体の1店舗あたりの初期費用だけで約1,000万円かかっていたので、単純計算でもその重さがわかるかと思います。
で、結局何がカギかというと、これです。
売上の「最悪ケース」と「運転資金の確保」を最初にちゃんと計算すること。これだけで全然変わります。
具体的には:
- 売上は本部提示の70%で計算するのが現実的。本部のモデル収支は「うまくいった加盟店の平均値」であることが多いので。
- ロイヤリティ(本部に毎月払うお金のこと)を忘れずに引く。10%と15%では売上の5%差。月商200万なら10万円の差。年間で120万円です。これが致命的な違いになることがある。
- 広告費・本部分担金・システム費用など、「隠れコスト」を全部洗い出す。契約書の費用一覧をすみずみまで確認してください。
- 最低でも6ヶ月分の運転資金を確保した上での収支計画を作る。
あと、事業計画書では「損益分岐点」(この売上を超えると黒字になる、というラインのことです)を必ず計算しておいてください。これを知らずに開業するのは、目隠しして運転するのと同じです。
FC加盟時に使える補助金についてはこちらの記事でまとめているので、資金計画を立てる前にチェックしておくと資金繰りが楽になりますよ。
FC加盟で後悔しないための情報を無料でお届け中。まずは資料請求から
📋 FC加盟で後悔しないために
FC経営者・富永康太が選ぶ、信頼できるFC本部の資料を無料で比較できます
→ 無料で資料請求する
![]()
銀行・日本政策金融公庫に融資を通すための書き方のポイント
融資の話になると、「どうすれば通るか」ばかり考えてしまう人が多いんですが、まず大前提として「審査担当者も人間」だってことを思い出してほしいんです。担当者は毎日たくさんの事業計画書を見ています。数字がきれいに並んでいる書類より、「この人は本当に理解してこの事業をやろうとしている」と感じさせる書類の方が、通りやすい。ほんとにそう。
融資審査で見られているポイントはざっくりこの3つです。
返済能力があるか
月々の返済額と、見込み利益のバランス。ここが合っていないと即アウト。かなりシビアに見てきます。
自己資金の割合
自己資金が総投資額の3分の1以上あると通りやすいと言われています。ゼロから借り入れだけでやろうとすると、相当厳しい審査になります。
申請者の信頼性
前職の経歴、業界経験、FC本部の研修を受けているかどうか。「未経験でも本部サポートがあるから大丈夫」という根拠を具体的に書くのがポイントです。
日本政策金融公庫(通称:日本公庫)は、創業融資に特化していて、銀行より審査が通りやすいと言われています。初めてFCに加盟する人はまずここに相談してみてください。書き方の無料相談も受け付けているので、ぜひ足を運んでみてほしいです。
あと、連帯保証(家族や知人に借金を保証してもらうこと)についても、契約前に必ず確認してください。「経営者保証ガイドライン」という制度を使うと、代表者個人の保証を外せる可能性があります。
ここがミソで、この制度を使うには「財務状況の透明性が確保されている」「事業と個人の資産・経理が明確に分離されている」などの条件をクリアする必要があります。具体的には、法人口座と個人口座をきちんと分けること、決算書や試算表を定期的に整備しておくことが求められます。私が多店舗展開で失敗したとき、この制度を知っていれば状況が違っていたかもしれない。本当に。
融資申請の際は、事業計画書と一緒に「自己資金の確認書類(通帳のコピー等)」「本部との加盟契約書の写し」「本部のブランド概要資料」をセットで持参すると、担当者の理解がスムーズになります。書類の準備不足で審査が止まるのはもったいない。事前に公庫の窓口に「何を持参すべきか」を電話で確認しておくだけでも全然違います。
本部提出用の事業計画書|融資用と何が違うのか
本部に提出する事業計画書は、融資申請書類とは目的が違います。これ、混同している人がめちゃくちゃ多い。
本部は「この加盟希望者は本当に経営できる人材か」「ブランドの価値を下げないか」を判断するために見ます。なので、数字の緻密さより、経営者としてのビジョンと本気度が伝わるかどうかがカギになります。
心当たり、ありませんか?本部の説明会に行ったら、やたら「やる気」「情熱」「コミット」みたいな言葉を重視している感じ。あれは全部嘘じゃなくて、本部側も「続けてくれる加盟店かどうか」を見ているからなんです。
本部提出用に特に入れておくといい項目はこれです。
- なぜこのブランドを選んだか(他社比較の視点を入れると説得力が出る)
- 自分のエリアでどう差別化するか
- スタッフ採用・育成の方針
- 5年後・10年後のビジョン
ただ、ここで一つ注意があります。
本部提出の計画書に「書きすぎ」は禁物。競合調査の結果などを書きすぎると、本部にとって都合の悪い情報(例えば「このエリアは競合が多すぎて厳しい」)を自分で書いてしまって、開業を止められることがあります。
ぶっちゃけ、本部はあなたに加盟してほしいと思っている。とはいえ、あなた自身が「このエリアで本当にやっていけるか」を一番真剣に考えなきゃいけない立場です。その視点を忘れないでほしいんです。
契約書の中に撤退時のリスクや違約金が書かれていることが多いので、FC契約書の読み方についてはこちらの記事も参考にしてみてください。
まとめ:事業計画書は「生き残るための地図」
フランチャイズ加盟の事業計画書について解説してきましたが、結局一番大事なことはシンプルです。
事業計画書は、融資を通すための「お作法」じゃない。
自分の事業が本当に成り立つかを確かめるための、生き残るための地図です。私は整体FCで成功して、調子に乗って、運転資金もなしに出店を続けて、3,000万円以上の借金を抱えました。あのとき、もっと真剣に収支計画を作っていたら、少なくとも傷は浅かったと思っています。
FC加盟を検討しているあなたには、その経験を繰り返してほしくない。ちゃんと自分の手で数字を作って、最悪のケースを想定して、それでもやる価値があると判断したうえで加盟してほしい。それだけです。
応援しています。
FC加盟で後悔しないための情報を無料でお届け中。まずは資料請求から
よくある質問
Q. フランチャイズ加盟時の事業計画書は本部が作ってくれるの?
A. 本部がひな型や参考資料を提供してくれるケースはあります。ただ、それをそのまま使うのは要注意。本部の数字は「モデルケース」であって、あなたのエリアや状況に合っているとは限りません。私自身、本部提示の数字を信じすぎて痛い目を見た経験があります。ひな型はあくまで参考として、自分の状況に合わせた計算を必ずやってください。
Q. 事業計画書の収支計画に運転資金は含めるべきですか?
A. 絶対に含めてください。私が多店舗展開で失敗した最大の原因が、運転資金をほとんど用意しなかったことです。最低でも6ヶ月分の固定費(家賃・人件費・ロイヤリティなど)を運転資金として確保した上で計画を立ててください。これを甘く見ると、売上が少し落ちただけで経営が一気に苦しくなります。
Q. 日本政策金融公庫とはどんな機関で、FC加盟時に使えますか?
A. 日本政策金融公庫は、国が運営する金融機関で、創業支援に特化した融資制度があります。民間銀行より審査が通りやすく、FC加盟の初期費用や運転資金の調達によく使われます。自己資金の比率や事業計画書の内容が審査のカギになるので、計画書をしっかり作ってから相談に行くのがおすすめです。
Q. 事業計画書にロイヤリティはどう反映させればいいですか?
A. 月々の費用として「売上×ロイヤリティ率」を毎月の固定的なコストとして計上してください。たとえばロイヤリティが15%なら、月商200万円のとき30万円が毎月出ていきます。10%と15%では年間で120万円も差が出る。この数字を軽く見ると収支が大きくズレます。契約書に書かれているロイヤリティ率と、その算出基準(売上総額か利益かなど)を必ず確認してから計画書に反映させてください。
Q. フランチャイズ加盟の事業計画書で、補助金は使えますか?
A. 使えるものがあります。代表的なのは「小規模事業者持続化補助金」や「創業補助金」など。ただし、補助金は後払いが基本なので、開業資金の当初調達には使えないケースがほとんどです。あくまで「開業後の設備投資や広告費の一部が戻ってくる」というイメージで計画に組み込んでください。申請には事業計画書が必要になるので、融資用の計画書をきちんと作っておくと、補助金申請にも流用できて一石二鳥です。
