「介護フランチャイズって利益率が高いって聞いたけど、実際どうなの?」
そう思って調べているあなたに、FC加盟経験者として正直に伝えたいことがあります。介護フランチャイズの利益率は、本部の説明だけでは見えてこない部分が多すぎる。表面の数字だけ見て加盟を決めると、あとで「こんなはずじゃなかった」になりかねません。
私自身、整体FCをはじめ5ブランドにFC加盟してきた中で、1店舗目はスタッフ2人で月商300万円という好調なスタートを切りながら、多店舗展開で失敗して借金3,000万円以上を抱えて撤退した経験があります。だからこそ、「本部が見せてくれない数字」の怖さをよく知っています。
この記事では、介護フランチャイズの利益率をリアルな視点で掘り下げながら、加盟前に確認すべきポイントを具体的にお伝えします。
介護フランチャイズの利益率、本部の説明と現実のギャップ

加盟を検討している人から相談を受けると、かなりの割合で「本部の説明会で利益率20〜30%と聞いた」という声を耳にします。あなたも同じような数字を聞いていませんか?
介護業界は社会的ニーズが高く、安定した需要があるのは事実です。訪問介護や放課後デイサービス(障がいのある子どもたちが学校終わりに通う福祉サービス)、就労継続支援(障がい者の就労を支援する事業)などは、国からの給付金がベースになるため、一般の小売業や飲食業と比べると売上の波は小さい。そこは正直、良い面だと思っています。
ただ。
本部が説明会で出してくる「利益率20〜30%」は、多くの場合、理想的な稼働率・定員充足率を前提にした数字です。「うまくいった場合の数字」であって、立ち上げ期のリアルな数字じゃない。
開業してすぐに定員が埋まるわけじゃありません。放課後デイなら定員10名に対して最初の3〜6ヶ月は2〜3名しか来ない、なんてことも普通にあります。その間も家賃・人件費・光熱費は出ていく。この立ち上げ期のキャッシュアウトが、本部の利益率説明にはほとんど含まれていないんです。
私が整体FCで多店舗展開を失敗した原因もここでした。1店舗目の成功イメージのまま運転資金をほぼ用意せずに出店を続けたのが致命的でした。2店舗目以降はスタッフ退職も重なって、あっという間にキャッシュが底をつきました。介護FCでも同じ構図で失敗している人は、ぶっちゃけ少なくない。
利益率の数字を見るときに確認してほしいのは、「何ヶ月目から黒字になる想定か」「その間の運転資金はいくら必要か」という2点です。この2つを本部にちゃんと聞いてみてください。答えが曖昧だったら、それだけで警戒するべきサインです。
怖い話ですが、これが現実。知らないまま加盟するのが一番リスクが高い。
ロイヤリティと費用構造で変わる、介護FCの手元に残るお金

ロイヤリティの計算、ちゃんとやってみましたか?
利益率を語るうえで、ロイヤリティ(本部に毎月払うお金のこと)の構造を外して話すことはできません。これ、地味に大きい。
介護FCのロイヤリティは業態によってかなり違います。だいたい売上の3〜15%の範囲で設定されているケースが多いですが、固定費型(毎月一定額を支払う)と変動型(売上に応じたパーセンテージ)が混在しています。
私がFC経営者として実感しているのは、ロイヤリティが10%と15%では、売上の5%の差に見えて経営に致命的な違いが出るという現実です。たとえば月商200万円の事業なら、その差は毎月10万円。年間で120万円が「ただ変わるだけ」で手元に残るかどうかの差になります。
それだけじゃない。ロイヤリティ以外にも意外とかかるお金があります。
- 本部への広告分担金(売上の1〜3%が多い)
- 研修費・更新費用
- システム利用料(介護記録ソフトなど)
- スーパーバイザー(SVと略されます。本部から定期的に指導に来る担当者のこと)の訪問費
これらを全部合わせると、表面上のロイヤリティ率より実質的な本部へのコスト負担は2〜3%増しになるケースがほとんど。加盟前に「実質的な総コスト負担率」を計算する習慣をつけてほしいんです。
ぶっちゃけ、この計算をせずに加盟している人がめちゃくちゃ多い。
余談ですが、私が最初に加盟した整体FCでは、本部への支払い項目が細かく分散していて、全部足したら売上の18%を超えていた月もありました。1店舗目が好調だったからなんとかなったけど、正直ぞっとする数字です。ぞっとする、では済まなかったのが多店舗展開のあとの話。
介護FCの場合、売上の基盤が介護報酬(国・自治体が支払う公的なお金)になるため、「売上が突然ゼロになる」リスクは低い。それは強みです。とはいえ、報酬単価が国の政策によって変わるという別のリスクも持っている。加盟金の回収期間が長くなるリスクについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
介護FCの業態別・利益率の実態と選ぶときの基準

どの業態を検討していますか?ここ、業態によって話が全然変わるので丁寧に見てほしいところです。
介護FCといっても、業態はかなり幅広い。業態ごとに利益率の構造が全然違うので、それぞれ確認していきましょう。
訪問介護系
利益率が低くなりやすい業態です。原因はヘルパー(訪問介護員)の確保の難しさと、人件費の高さ。売上に占める人件費率が70〜80%になることも珍しくない。ヘルパーが確保できないと売上が立たないという、採用リスクが直結する構造を理解しておく必要があります。採用がカギになります。
放課後等デイサービス
介護FCの中では利益率が出やすい業態として注目されています。定員が埋まった状態での利益率は15〜25%程度を目指せるケースもあります。ただ、定員充足までの時間と、必要な有資格者(児童発達支援管理責任者など)の配置コストが重くなりやすい。
就労継続支援B型
工賃(利用者さんに支払うお金)のバランスが経営に影響します。利益率のコントロールが他業態より複雑で、初心者には難易度が高め。
小規模多機能型・グループホーム
初期投資が大きいぶん、安定稼働後の利益率は比較的安定しやすい。ただ初期費用が1,000万〜2,000万円を超えるケースもあり、撤退時のリスクも大きい。リスクと安定性、両面ある業態です。
じゃあどれを選ぶか。答えはシンプル。「自分が用意できる運転資金」で業態を絞るのが先です。利益率が高い業態に飛びつく前に、定員充足まで何ヶ月かかるか・その間にいくら必要かを先に計算する。これだけで判断精度がぐっと上がります。
順番を間違えると、ほんとに取り返しがつかなくなる。
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介護FC加盟で失敗しないために契約前に確認すべきこと

ここ、めちゃくちゃ大事です。契約書、ちゃんと読む予定ですか?
私が5ブランドのFC加盟で学んだことの中で、一番後悔したのが「契約書を甘く見ていた」こと。特に介護FCは、撤退時の条件が厳しい契約になっているケースがあります。
撤退・解約時に違約金が発生する条項は、契約書の後半にさらっと書いてあることが多い。「契約期間内に解約する場合は残存期間の月額ロイヤリティ相当額を支払う」なんて条項が入っていたりします。5年契約で2年目に撤退しようとしたら、残り3年分の請求が来る可能性があるわけです。
確認してほしいポイントは3つあります。
まずやってほしいのは、解約・撤退条件の確認です。違約金の有無・金額・条件を必ず契約書で確認してください。説明会では「柔軟に対応します」と言われても、契約書に書いてあることが法的に有効です。口約束は意味がない。
次に、テリトリー保護(自分のエリアに他の加盟者が出店しない保証)の有無。介護FCは地域密着型なので、近くに同じブランドが出店されたら集客が分散します。テリトリー条項がしっかりある本部かどうかは、収益の安定性に直結します。これがカギになります。
あともうひとつ。SV(スーパーバイザー)サポートの実態を確認してください。「月1回の訪問サポートあり」と書いてあっても、実際は電話1本で終わる本部も存在します。既存加盟者に直接話を聞けるなら、ぜひ聞いてほしい。本部が自信を持っているなら加盟者を紹介してくれるはずです。
FC契約書の読み方についてはこちらの記事で詳しく解説していますので、合わせて確認してみてください。
結局のところ、介護FCの利益率は「本部選び」と「初期の運転資金」でほぼ決まると私は考えています。業態の選択よりも、この2つが先です。
補助金や資金調達を上手に使うことで、この2つのリスクをかなり下げられます。次で解説します。
介護FC加盟を有利に進める補助金・資金調達と、まとめ

補助金、調べましたか?ここを活用するかどうかで、スタート時の資金余力が全然変わってきます。
介護・福祉系の事業は、他業種のFCと比べて補助金・助成金が活用しやすい業種です。代表的なものだと、
- 障害福祉サービス事業所の開設に関わる補助金(自治体によって異なる)
- IT導入補助金(介護記録システムの導入費用に使えるケースあり)
- 小規模事業者持続化補助金(集客・広告費に活用できることも)
これらは全部使えるわけじゃないし、採択されるかどうかは申請内容次第。でも、初期費用の一部をカバーできる可能性は十分あります。加盟前に中小企業診断士や専門の補助金コンサルに相談しておくと、申請の勝率が上がります。
もうひとつ。借り入れをする場合に知っておいてほしいのが経営者保証ガイドラインの存在です。事業者が金融機関から融資を受ける際に、経営者個人の連帯保証を外せる可能性がある制度のこと。2023年以降、政府が積極的に普及を進めているので、融資交渉の際に活用できるか確認してみてください。
私自身は整体FCの多店舗展開時に、個人保証で3,000万円以上の借金を抱えることになりました。個人保証の重さは、事業がうまくいっている間は気にならないけれど、撤退するときに初めてリアルにのしかかってくる。これ、本当に。経験してみて初めてわかる重さです。
加盟前に使える補助金制度についてはこちらの記事でまとめているので、資金計画を立てるときに参考にしてみてください。
この記事で伝えたかったことを振り返ると:
- 本部が出す利益率は「理想値」であって、立ち上げ期のコストは含まれていない
- ロイヤリティ以外の費用を全部合算した「実質コスト負担率」を必ず計算する
- 業態によって利益率の構造がまったく違う。運転資金から逆算して業態を選ぶ
- 契約書の撤退条件・テリトリー保護は必ず確認する
- 補助金と経営者保証ガイドラインを活用して、リスクを下げる
5ブランドに加盟して、成功も失敗も経験してきた私が一番伝えたいのは、「情報を取りに行く姿勢」が加盟後の結果を変えるということです。本部が教えてくれない数字は、自分で確認するしかない。この記事がその一歩になれば嬉しいです。
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よくある質問
Q. 介護フランチャイズの利益率は実際どれくらいですか?
A. 業態によりますが、放課後等デイサービスで定員が安定している状態なら15〜25%程度を目指せるケースがあります。ただし、これは稼働率が高い状態の数字。立ち上げから定員充足まで3〜6ヶ月かかることも多く、その間は赤字になる想定で運転資金を用意しておくのが現実的です。本部の説明会の数字をそのまま信じず、既存加盟者に直接確認することをすすめます。
Q. 介護FCのロイヤリティは相場的にどれくらいですか?
A. 売上の3〜15%が多いですが、固定型と変動型があります。注意してほしいのはロイヤリティ以外のコスト。広告分担金・システム利用料・研修費を全部合算すると、実質的な本部へのコスト負担率がロイヤリティ単体より2〜3%以上高くなるケースもあります。契約前に「毎月本部に支払うお金の全項目」を書き出して確認する習慣をつけてほしいです。
Q. 介護フランチャイズに加盟するための初期費用はどれくらいかかりますか?
A. 業態によって大きく異なりますが、放課後等デイサービスなら500〜1,000万円前後、グループホームや小規模多機能型は1,500〜2,000万円以上かかるケースもあります。加盟金・内装費・備品費に加え、定員充足までの運転資金を6ヶ月分は用意しておくのが安全です。私自身、整体FCで初期費用約1,000万円の出店を運転資金なしで進めて失敗した経験があるので、運転資金の確保だけは絶対に妥協しないでほしいです。
Q. 介護FCで失敗する人に共通するパターンはありますか?
A. 一番多いのは「立ち上げ期の運転資金不足」です。私も同じ理由で失敗しました。次に多いのが「スタッフ採用・定着の甘い見通し」。介護業界は人手不足が深刻で、採用コストが想定を超えることがよくあります。また、契約書の撤退条件を確認せずに加盟して、撤退時に多額の違約金を請求されるケースも実際に起きています。加盟前の情報収集に使う時間をケチらないことが、一番のリスクヘッジです。
Q. 介護フランチャイズの加盟を検討する際に、本部に必ず聞くべき質問は何ですか?
A. 私が必ず確認してほしいと思う質問は3つです。①「定員充足まで平均何ヶ月かかっているか、既存加盟者の実績データで見せてほしい」②「解約・撤退時の違約金条件を契約書で確認させてほしい」③「既存の加盟オーナーを紹介してもらえるか」。この3つに対して本部が誠実に答えてくれるかどうかで、本部の信頼性がかなり見えてきます。答えが曖昧だったり、加盟者を紹介してくれない本部は要注意です。

