フランチャイズに加盟して従業員を雇用するとき、「どうやって採用すればいい?」「何人必要?」「人件費はどのくらいかかる?」って悩んでいる方、多いですよね。
私自身、整体FCに加盟してスタッフ2人で月商300万円を達成した経験があります。でも、その後に多店舗展開で人の問題がきっかけのひとつとなって、最終的に借金3,000万円以上を抱えて撤退しました。成功と失敗の両方を経験しているからこそ、「雇用を甘く見るとどれだけ怖いか」を肌で知っています。
この記事では、FCオーナーとして従業員を雇うときに知っておきたいこと、採用・教育・人件費の管理まで、現場目線でぜんぶ話します。
フランチャイズの従業員雇用は「誰が雇用主か」を最初に理解する

あなたはもう確認しましたか?「フランチャイズに加盟したら、従業員は本部が雇うのか、自分が雇うのか」——ここを曖昧にしたまま開業に進んでいる人、ほんとに多いんですよ。
答えはシンプル。従業員の雇用主はあなた(加盟者)自身です。
本部ではありません。これ、めちゃくちゃ大事なポイントです。
つまり、採用・労務管理・給与支払い・社会保険の手続き・解雇トラブルの対応——これが全部あなたの責任になります。「本部が何とかしてくれる」は幻想。フランチャイズの看板を借りているだけで、雇用関係はあくまでもあなたと従業員の間で成立しています。
特に初めてFC加盟する方は、ここを誤解したまま採用を進めて、後から「こんなはずじゃなかった」となるケースが多いので注意してください。
「本部がサポートしてくれるから大丈夫」と思い込んでいること、心当たりありませんか?
確かに本部は採用ツールや研修マニュアルを用意していることが多い。ただ、それはあくまで"支援"です。最終的な責任はオーナーであるあなたが負います。雇用契約書の締結・就業規則の整備・労働保険への加入——これが全部、加盟者側のやることリストです。
ちなみに、フランチャイズの契約体系とオーナーの責任範囲についてはこちらの記事でもまとめていますので、あわせて読んでみてください。
雇用主としての義務をちゃんと理解していれば、後から「知らなかった」で痛い目を見ることはまずありません。逆に言えば、ここを曖昧にしたまま進めるのが一番危ない。
フランチャイズは「ノウハウと看板を借りるビジネス」です。人の問題だけは、お金では解決できない部分も多い。だから最初に頭に叩き込んでおいてください。
フランチャイズで従業員を雇用するときにかかる本当のコスト

「人を雇う=給与を払う」——これだけだと思っていませんか?ちょっと待ってください。人件費って、給与だけじゃないんですよ。
私が5ブランドに加盟してきた経験から言うと、実際にかかる人件費は給与の1.2〜1.5倍を見ておく必要があります。
たとえば月給25万円のスタッフを雇ったとします。会社として追加でかかるのはこんな感じです。
- 社会保険料(健康保険・厚生年金)の会社負担分:約3〜4万円
- 雇用保険料の会社負担分:数千円
- 労災保険料:業種によりますが数千〜1万円程度
- 研修費・ユニフォーム代・採用広告費
全部足すと、月給25万のスタッフに実際には28〜35万円くらいかかる計算になります。これ、採用前に知ってるか知ってないかで資金計画が全然変わってきます。
「売上が上がれば人件費くらいすぐ回収できる」は危険な考え方です。特に開業直後の売上が安定しない時期、固定の人件費は確実に出ていきます。
私が失敗した多店舗展開のときも、人件費が経営を圧迫した大きな原因のひとつでした。2店舗目・3店舗目と出店を重ねるうちに、スタッフの採用コストと人件費が膨らみ続けた。そこに社員退職が重なって、一気に崩れていきました。
あと、見落としがちなのが採用広告費です。求人サイトへの掲載料、FC本部指定の採用ツールの費用——これが意外と高い。月3〜5万円が半年続くと、軽く20万円以上飛びます。
人件費の構造を正しく理解するためにも、FC加盟後にかかる費用の全体像を把握しておくことをおすすめします。
ロイヤリティ(本部に毎月払うお金のことです)が10%と15%では売上の5%の差。月商300万なら15万円の違いです。そこに人件費の見積もりミスが重なると、利益なんて一瞬で吹き飛ぶ。本当にそう。数字を甘く見た瞬間、利益はゼロになる。
採用前に「この人を雇ったら月いくら出ていくか」を必ずシミュレーションしてみてください。給与+法定福利費+採用コストを全部足した数字が、あなたの本当の負担額です。
フランチャイズの従業員教育と本部サポートの「実態」

あなたが加盟を検討しているFC本部、研修の中身をちゃんと確認しましたか?
FC加盟を検討しているときのセールストーク、よく聞きますよね。「未経験でも大丈夫!本部が研修します!」というやつ。
これ、半分本当で半分は疑ってかかったほうがいいです。
本部によって教育サポートの質は天と地ほど違います。私が5ブランドに加盟してきた体感として、これはマジです。
手厚いところは、スタッフ向けの研修プログラムが体系化されていて、新人が入るたびにeラーニングで学べる環境があったり、スーパーバイザー(SV:本部から定期的に店舗を巡回する担当者のことです)がしっかり現場をサポートしてくれたりします。
でも薄いところは、マニュアルをPDFで送ってくるだけ。「あとはオーナーさんで育ててください」というスタンス。現場で使えるかどうかは別として、形だけ「研修あります」と言えてしまう。
「本部の研修があるから大丈夫」と判断する前に、研修の内容・頻度・SVの巡回頻度を必ず確認してください。
ちょっと話がそれますが、私が1店舗目でうまくいった理由のひとつは、スタッフ2人と一緒に現場で細かくOJTを積んだことだったと思っています。本部のマニュアルだけじゃなく、自分たちで「うちの店はこうやろう」というやり方を積み上げた。月商300万円という結果は、そういう地道な積み重ねの産物でした。
で、ここがミソで——その同じやり方を多店舗展開に持ち込もうとしたとき、自分が全店舗に入れるわけじゃないから機能しなくなった。本部に頼れる仕組みがないと、オーナー依存の教育は限界がきます。
FC加盟時に確認すべき教育サポートのポイントは、「研修の仕組みが自分がいなくても回るか」です。これだけで加盟判断がかなり変わります。
FC本部のSVサポートや教育制度の比較については、FC本部のサポート比較の記事も参考にしてみてください。
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フランチャイズの従業員雇用で起きやすいトラブルと対策

あなたのお店、もしトラブルが起きたとき対処できる準備はできていますか?
人を雇うと、必ずといっていいほど何かしらトラブルは起きます。これ、FCに限った話じゃない。ただ、FCだと「本部の看板があるのに……」という複雑さが加わってくる。
よく起きるのはこんなトラブルです。
採用後すぐの退職。特に飲食・美容・介護系のFCは離職率が高い業界でもある。「思ってたのと違う」という理由で数週間で辞めるスタッフ、ほんとに多いです。これがきつい。採用コスト・研修コストがまるまる無駄になる。
残業代・労働時間のトラブル。フランチャイズだからといって労働基準法の適用外にはなりません。当たり前ですが、これを軽視しているオーナーが意外といる。未払い残業代の請求が後からくると、まとめて数十万〜数百万円になることも。
「うちのスタッフに限って…」は禁物です。労務管理の甘さは必ずどこかで表面化します。
スタッフ退職後の引き抜き・競業問題。これは整体系のFCで私も何度か経験しました。技術を習得したスタッフが独立する・別店舗に移るというケース。FC契約に競業避止義務(同じ業種での開業を一定期間禁止するルールのことです)が入っていても、スタッフ側の雇用契約にも同様の条項を入れないと守れません。
対策として、まずやってほしいのは採用段階での丁寧なすり合わせです。業務内容・シフト・給与・キャリアパスを口頭だけじゃなく書面で確認する。次に、就業規則と雇用契約書の整備。テンプレートを使うにしても、FC業種に合った内容に修正してください。あともうひとつ、勤怠管理ツールの導入。タイムカードでも打刻アプリでもいいので、客観的な記録を残す仕組みを最初から作る。
トラブルの多くは「最初に決めておけばよかった」という話です。面倒でも最初の仕組みづくりをサボらないでほしいんです。
余談ですが、私が多店舗展開で崩れた一因は、この仕組みを1店舗目のときにちゃんと作れていなかったことでした。2店舗・3店舗になったとき、管理が追いつかなくなった。後悔しています、本当に。
フランチャイズで「人が辞めない店」を作るためにやること

ぶっちゃけ、採用よりも「辞めさせない」ほうがめちゃくちゃコスパがいいんです。これって気づいてましたか?
採用したスタッフが長く働いてくれる——これがFC経営において一番の安定になります。離職が少ない店は、採用コストが下がり、サービスの質が上がり、売上も安定する。好循環が生まれます。
じゃあどうするか。
答えはシンプル。「ここで働き続けたい」と思える職場を意図的に作ること。
なんとなく良い雰囲気、ではなく意図的に。具体的にやってほしいことを話します。
まず、明確なキャリアパスを見せること。「がんばれば時給が上がる」「店長候補として育てる」という未来が見えるかどうかで、スタッフのモチベーションはぜんぜん変わります。特に20〜30代のスタッフは「成長できるか」を重視している人が多い。
次に、1on1の対話を定期的にやること。週1回でなくていい。月1回でもいいから、オーナーがスタッフと個別に話す時間を作る。「最近どう?」という雑談から、不満や不安を早期に拾えます。退職の多くは「誰にも相談できなかった」末に起きています。
あなたはどうですか?スタッフとちゃんと話す時間、取れていますか?
「スタッフが辞めた理由」として一番多いのは、給与より「職場の人間関係」と「将来が見えない」です。給与を上げる前に、まずここを整えるのがカギになります。
あとは、本部のサポートを最大限に使い倒すこと。研修プログラム・採用ツール・SVのアドバイス——もったいないと思うくらい使ってほしい。せっかくロイヤリティを払っているんだから、サポートを活用しないのは損です。
人の採用と育成にかかるコスト、止まらないんですよ。だからこそ「辞めさせない仕組み」を作ることが、FC経営の収益を守る一番の投資になる。私はそう実感しています。
スタッフの離職が続いているのに「採用を増やす」だけで対処しようとするのは、穴の開いたバケツに水を注ぐのと同じです。根本の問題と向き合わないと、採用コストだけが膨らんでいきます。
フランチャイズで従業員を雇うときに絶対に押さえてほしいことを整理します。
雇用主はオーナーであるあなた自身。本部ではありません。人件費は給与の1.2〜1.5倍を見ておく。本部の教育サポートの質は加盟前に必ず確認する。労務管理は最初から仕組みを作る。そしてスタッフが長く働きたいと思える職場を意図的に設計する。
私自身、1店舗目の成功で調子に乗り、この設計を甘く見たまま多店舗展開に突進して3,000万円以上の借金を抱えました。人の問題は、売上が下がった瞬間に一気に経営を直撃してきます。
あなたには同じ失敗をしてほしくない。だから、雇用の問題を「やってみてから考える」ではなく、「加盟前・開業前に設計する」スタンスで進めてください。
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よくある質問
Q. フランチャイズに加盟したら、従業員は本部と加盟者どちらが雇うのですか?
A. 雇用主はあなた(加盟者)です。本部ではありません。採用・給与支払い・社会保険の手続き・労務管理はすべて加盟者の責任で行います。本部は採用ツールや研修プログラムを提供することはありますが、あくまでサポートであり、雇用契約の当事者は加盟者側です。
Q. フランチャイズの従業員採用にはどのくらいの費用がかかりますか?
A. 求人サイトへの掲載料だけで月3〜5万円かかることが多く、採用が決まるまで数ヶ月続くケースもあります。そこにトレーニング・研修コストが加わると、1人採用するのに10〜30万円以上かかることも珍しくありません。採用費用は必ず開業資金の計画に織り込んでおいてください。
Q. 従業員に払う給与以外に、どんな費用がかかりますか?
A. 給与のほかに、社会保険料(健康保険・厚生年金)の会社負担分・雇用保険料・労災保険料が毎月発生します。目安は給与の20〜25%増し。月給25万円のスタッフなら実質28〜31万円程度の負担を見ておく必要があります。私も最初この計算をせずに採用して、初月から赤字になりました。資金計画では「給与×1.25」を基準にするといいですよ。
Q. 本部の研修があれば、自分でスタッフ教育をしなくていいですか?
A. 本部の研修だけに頼るのは危険です。私が5ブランドに加盟してきた経験から言うと、研修の質・量・頻度は本部によってまったく違います。形だけのマニュアルしかない本部も正直あります。本部の研修を活用しながら、現場での実践的なOJTを加盟者側でも仕組み化することが、スタッフの定着率を上げるカギになります。
Q. フランチャイズでスタッフがすぐ辞める場合、どうすればいいですか?
A. まず離職の原因を把握することから始めてください。給与・シフト・職場の人間関係・将来の見通しのどこに問題があるかで対策が変わります。私の経験では「将来が見えない」「オーナーと話せない」という理由が多かったです。採用を増やす前に、定期的な1on1と明確なキャリアパスの提示から始めるのをおすすめします。

