「介護フランチャイズって儲からないって聞いたけど、本当のところどうなの?」——そう思って調べているあなたに、FCの裏側を正直にお伝えします。
介護FCの市場は高齢化社会を背景に右肩上がり。でも実際に加盟してみると「思ってたのと違う」という声があとを絶ちません。なぜ儲からないと言われるのか、その理由には業界特有の構造的な問題が隠れています。
私自身、整体・ピラティス・小顔整体など5ブランドのFCに加盟してきた経験から言うと、どの業界でも「儲かる構造かどうか」を事前に見極めることが、成功と失敗を分ける最大のカギになります。介護FCも例外じゃありません。この記事では、介護フランチャイズが儲からないと言われる具体的な理由と、加盟前に絶対チェックしてほしいポイントをまとめています。
介護フランチャイズが「儲からない」と言われる構造的な理由

「介護は需要があるから安定して稼げるはず」——あなたもそう思っていませんか?
半分は正しくて、半分はかなり危険です。
介護サービスの需要が伸びているのは間違いない。ただ、介護業界には「売上の上限が制度で決まっている」という、他業界にはない特殊な制約があります。
どういうことかというと、訪問介護やデイサービスの売上の多くは「介護報酬」で決まります。介護報酬とは国が決めたサービスの単価のことで、どれだけ頑張っても1サービスあたりの収入は法律で上限が設けられているんです。
飲食や整体なら「値上げして単価を上げる」「高単価メニューを追加する」といった工夫で売上を伸ばせます。とはいえ、介護はそれができない。加算(プラスアルファの報酬)を取れる仕組みはあるものの、それも条件が複雑で、資格保有者の配置基準なども絡んでくるため、簡単じゃありません。
さらに、売上の6〜7割が介護報酬の振り込みになるため、売上が入るのが翌月・翌々月になるケースも多い。サービスを提供してから実際にお金が手元に来るまでのタイムラグがある。怖くないですか、これ。運転資金が薄いと、この間に資金繰りが詰まります。
私が整体FCで多店舗展開に失敗したときも、まさに運転資金の甘さが致命傷でした。1店舗目はスタッフ2人で月商300万円という好調なスタートを切ったんですが、その成功体験に引きずられて「2店舗目もすぐ軌道に乗るはず」と運転資金をほぼ用意せずに出店を続けた。結果、社員の退職と売上不振が重なり、最終的に借金3,000万円以上を抱えて撤退することになりました。
介護FCでも同じリスクがあります。むしろ介護は報酬が後払いになる分、運転資金の枯渇リスクが他業界より高い。介護フランチャイズの収益構造を理解せずに加盟するのが、一番危ないパターンです。
ロイヤリティの仕組みや費用負担についてはFC加盟時のロイヤリティ完全ガイドでも詳しく解説していますので、あわせて読んでみてください。
人材不足が直撃する|介護FCのコスト構造の現実

介護FCで儲からない理由として、絶対に外せないのが「人件費と人材不足の問題」です。あなたのまわりにも、介護職の人材不足を感じる場面ってありませんか?
介護サービスは、究極の労働集約型ビジネス。人がいないと何も始まらない。
訪問介護であれデイサービスであれ、サービス提供の核になるのはスタッフです。でも介護業界は慢性的な人材不足で、採用コストが非常に高いのが現実。求人広告を出しても応募がこない、来ても定着しない、資格保有者はさらに確保しにくい——これがリアルな現場です。
さらに怖いのが、介護報酬を高く請求できる「加算」の多くは、資格保有者の配置が条件になっている点。特定の資格を持つスタッフがいないと加算が取れないので、売上も上がらない。「じゃあ資格のあるスタッフを雇えばいい」という話なんですが、そういう人材ほど採用競争が激しくて人件費も高い。
結果として、採用コストが上がる→利益が削られる→加算も取れない→売上も伸びない、という負のループに陥りやすい。
売上の構造上限があって、かつ人件費が重くのしかかる。これが介護FCの収益が薄くなる根本的な原因です。
整体FCでも人材の問題は深刻でした。1店舗目が月商300万円で回っていたのは、優秀なスタッフ2人のおかげでもあった。多店舗展開で新しいスタッフを採用したら技術・接客のクオリティが落ちて、顧客離れが起きた。一気に崩れます、人が抜けた瞬間に。介護FCでも全く同じことが起きます。
事前にそのFCがどんな採用支援・スタッフ定着支援をしてくれるのかを必ず確認してください。本部によってサポートの差は天と地ほど違うので。
制度改定リスクと本部ロイヤリティの二重苦

制度改定リスクとロイヤリティの重さ——この2つが同時にのしかかってくること、想像できますか?
まず制度改定リスクについて。
介護報酬は、国が定期的に見直します(基本的に3年ごとの改定)。この改定で報酬単価が下がると、自分では何も間違ったことをしていないのに、一気に収益が悪化するリスクがある。自分でコントロールできないリスクがビジネスの根幹にある、ということを甘く見てはいけません。
そこにさらに「ロイヤリティ」がのしかかってくる。
ロイヤリティ、つまり毎月本部に払うお金が売上の10%のFCと15%のFCでは、売上の5%の差があります。「たった5%」と思うかもしれないですが、これが経営に致命的な違いになります。月商500万円なら25万円の差。年間だと300万円。それだけの利益が毎年消えていく計算になりますよね。
止まらないんです、本部への支払いって。売上が低い月も、苦しい時期も、毎月必ず引かれていく。ほんとに、これが地味にきつい。
本部に支払うロイヤリティの料率と、その算出ベース(売上か粗利かで全然変わります)は、加盟前に必ず確認してほしいポイントです。介護FCの場合は介護報酬が入る前の「売上ベース」で計算されるのか、実際の入金後で計算されるのかで、キャッシュフローへの影響が変わります。
ロイヤリティの重さと制度改定リスク、この2つが同時に来たときの収益シミュレーションを事前に作ること。それだけで全然変わります。
FC加盟前のチェックポイントについてはFC加盟前に確認すべき契約書のチェックリストも参考にしてみてください。
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撤退時のリスクが契約書に隠れている|介護FCの出口戦略

ぶっちゃけ、加盟前に「撤退のこと」を考える人ってほとんどいないんですよね。「頑張れば必ずうまくいく」と思って入るわけだから。でもこれ、めちゃくちゃ危険です。あなたは出口まで考えて加盟を検討していますか?
介護FCでも、撤退・解約に関する条件は契約書にちゃんと書いてあります。問題は、その内容を加盟前にしっかり確認している人が少ないこと。
典型的なリスクとしては、まずやってほしいのは途中解約違約金の確認。契約期間中に撤退すると、残存期間のロイヤリティ相当額を一括で払わされるケースがあります。5年契約で2年目に撤退したら、残り3年分。これが数百万円規模になることも。ほんとに見落としやすいポイントです。
次に競業避止義務の範囲。FC撤退後に一定期間・一定エリア内で同業を営んではいけない、という条項が入っていることがあります。介護の場合、撤退後に自分で介護事業を始めようとしても縛られるケースがある。
あともうひとつ、見落としがちなのが加盟金の返還規定。加盟金が、どういう条件なら返還されるのかを事前に確認してください。多くの場合「返還しない」と書いてあります。めちゃくちゃ大事な確認ポイントです。
私が整体FCで撤退を判断したときも、契約内容の確認が甘くて想定外の費用が発生しました。契約書は必ず弁護士か中小企業診断士にレビューしてもらうこと。これは加盟前の絶対条件だと私は考えています。
撤退時の出口を事前にシミュレーションするのは、後ろ向きな話じゃなくて、経営者としての当然のリスク管理。入口だけじゃなく、出口も含めて判断してほしいんです。
「最悪ここまでの損失なら許容できる」というラインを加盟前に決めておくこと。それが、撤退の決断を遅らせずに済む唯一の方法です。
介護FCで順調な人、何が違うの?

正直、暗い話が続きましたよね。でも、介護FCで順調に経営している人がいるのも事実です。儲からない理由を知った上で、成功する人は何が違うのか——気になりませんか?
答えはシンプルです。業界の構造的な制約を理解した上で、それに合わせた経営をしている。それだけです。
具体的に言うと、まず収益シミュレーションが現実的です。介護報酬の上限・ロイヤリティ・人件費・制度改定リスクを全部織り込んだ上で、「それでも黒字になるか」を計算してから加盟しています。本部が提示する収益モデルをそのまま信じるんじゃなくて、自分でシミュレーションを組み直している。
次に、本部選びの軸が「知名度」じゃなくて「SVサポートの質」と「採用支援の充実度」になっています。介護FCは人が全て。採用・育成・定着を本部がどれだけ支援してくれるかで、成否は決まります。
それと、運転資金を厚く用意している。介護報酬の入金タイムラグを考えると、少なくとも3〜6ヶ月分の固定費を手元に持っておく必要があります。
借り入れをして運転資金なしで加盟するのは、本当に危険です。私がそれをやって痛い目を見たので、これだけは声を大にして言いたい。
加盟する前に、複数のFC本部を比較することも忘れずに。介護FC同士で比べるだけじゃなくて、他業界のFCとも比較することで「介護FCの特殊な条件」が浮き彫りになります。FC加盟の比較方法についてはFC加盟を比較検討するときの7つのチェックポイントで詳しくまとめています。
まとめ|介護FCは「儲からない」じゃなくて「構造を知らないと儲からない」
介護フランチャイズが儲からないと言われる理由、整理するとこうなります。
介護報酬という国が決めた上限があって、売上を自由に伸ばしにくい。人件費は重く、人材確保も難しい。ロイヤリティが利益を削り続ける。制度改定リスクは自分ではコントロールできない。撤退時のコストも契約書に潜んでいる。
ただ、これらを事前に把握して、しっかり対策を打てている人は順調に経営しています。儲からないんじゃなくて、構造を知らないまま加盟すると儲からない——これが正確な表現だと私は考えています。
加盟を検討しているなら、やることはたった3つ。収益シミュレーションを自分で作ること、本部のサポート内容を徹底的に比較すること、契約書は専門家に確認してもらうこと。これをやるかやらないかで、加盟後の結果は全然変わります。焦らず、丁寧に判断してほしいんです。
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よくある質問
Q. 介護フランチャイズの平均的なロイヤリティはどのくらいですか?
A. 介護FCのロイヤリティは、売上の3〜10%程度が多いです。ただし、算出ベースが「売上」か「介護報酬収入」かによって実質的な負担が変わります。私の経験上、ロイヤリティの料率だけでなく「何に対して何%か」を必ず確認してください。低率に見えても、固定費や加盟金の償却を含めると手元に残る利益はかなり薄くなることがあります。
Q. 介護フランチャイズに加盟するときの初期費用はどのくらいかかりますか?
A. FCブランドによって差はありますが、加盟金・研修費・物件取得費・設備費などを合計すると、訪問介護系で300〜800万円、デイサービス系で1,000〜2,000万円以上になることもあります。私が整体FCで失敗したときの1店舗あたりの初期費用は約1,000万円。初期費用の大きさより「何ヶ月で回収できるか」を試算してから判断してほしいです。
Q. 介護フランチャイズで成功するために最低限必要な運転資金はどのくらいですか?
A. 少なくとも6ヶ月分の固定費(人件費・家賃・ロイヤリティ)を手元に用意することを強くすすめます。介護報酬は翌月・翌々月に入金されるため、サービス開始直後は売上があってもキャッシュがない状態が続きます。私は運転資金を甘く見て多店舗展開に失敗しました。「初期費用+6ヶ月分の運転資金」を借り入れ込みで確保できるかどうかが、加盟の最低条件だと考えています。
Q. 介護フランチャイズは制度改定で突然収益が悪化することはありますか?
A. あります。介護報酬は3年ごとに国が改定するため、マイナス改定が実施されると売上が下がります。自分の努力ではコントロールできないリスクなので、加盟前の収益シミュレーションには「報酬が5〜10%下がった場合」のシナリオも必ず含めてください。私自身、整体FCで市場環境の変化に収益を直撃された経験がありますが、介護は制度という国レベルの要因が加わる分、そのリスクはより大きいと感じています。本部が提示する収益モデルだけを信じるのは危険です。
Q. 介護フランチャイズを途中で撤退するとどんなコストがかかりますか?
A. 契約書の内容次第ですが、残存期間のロイヤリティ相当額を違約金として請求されるケース、競業避止義務で撤退後の事業展開が制限されるケースがあります。加盟金は基本的に返還されないことが多い。加盟前に弁護士か中小企業診断士に契約書を確認してもらうことを強くおすすめします。入口と同時に出口の条件を把握しておくことが、経営リスクを最小化するカギになります。

